ムペンバ効果を検証してみた。
○実験環境
家庭用冷蔵庫(富士通 ER-32ST)
冷蔵庫付属の製氷皿(あらかじめ、『常温』に戻しておく)
比較対照用の大きい製氷皿(あらかじめ常温に戻してある)
水(常温 25℃くらい?)
熱湯(沸騰させた物 100℃近く)
冷水(冷蔵庫に入っていた物 8℃前後と思われる)
○実験前考察
まず、常識的観点から言って、熱水の方が早く氷になる事はありえないと思われる。
仮に熱水の方が早く氷になる場合、温度上昇による『熱膨張』や、『気化熱』及び、『対流現象』が作用しているのではないかと考察される。
また、冷凍庫内の温度変化をなるべく防ぐ為、冷凍庫を開いて確認する頻度を、30分に一回に留める。
製氷皿を置いた場所の冷気の対流等も勘案して、何回かの追実験が行われる事が望ましい。
家庭用冷凍庫の振動を勘案し、『過冷却状態』はおきていないものとする。
実験の終了は、熱水・常温水共に氷の膜を形成し、両者の氷の厚さを比較する事で結論とする。
○実験状況
常温にした製氷皿3つ。 左2個が冷蔵庫付属の物。大きい物は、比較の為の冷水を入れる。
左側が常温の水(25℃程度) 右側が熱湯(100℃近く)
左側が常温の水(25℃程度) 右側が熱湯(100℃近く) 上は冷水(8℃程度)を注いだ物
30分後に冷凍庫を開けて確認した時には、全ての製氷皿で氷結はしていなかった。
1時間後に冷凍庫を開けて確認したところ、全ての製氷皿で氷結はしていなかった。
1時間半後に冷凍庫を開けて確認すると、全ての製氷皿で表面が凍っていた。
1時間半後の常温水の様子。(厚さ約1ミリ程度の氷が確認された)
1時間半後の熱湯の様子(かなり薄いが氷の膜が確認された)
○実験結果
ムペンバ効果は確認されなかった。
○実験終了後の考察
実験終了を両者が氷の膜を形成した時点で終了とした為、1時間半で実験は終了となったが、さらに1時間後に取り出してみたところ、熱湯の方は完全に氷になっていたのに対し、常温の方はまだ中心部に水で残っていた部分を確認した。(ただし、実験終了と同時に製氷トレイを入れるところに戻した為、考察の対象とはしない)
実験の結果、全ての温度において同時に冷凍庫に入れれば、似たような氷結時間を要する事が判った。(誤差10~20分程度と思われる)
また、氷の厚さ等から勘案して、明らかに常温水の方が早く凍り始める事も確認された。
ただし、実験のやり方に問題がある為、本実験のみでムペンバ効果を否定する事はできない。
(水温を計っていない事や、冷凍庫内の温度変化のデータ取得や、追実験を行っていない事)
この実験のやり方の問題点として、熱水と常温水を同時に冷凍庫内に投入する事が挙げられると思う。
今回は、100℃の熱湯と、25℃程度の常温水を同時に投入しているため、冷凍庫内の熱平衝がかなり大きくなっているはずであり、それが常温水の氷結度合いにも関与している可能性は否めない。
また、本来の『ムペンバ効果』が『アイスクリーム』の製造過程で発見されている事から、たんぱく質や溶質である砂糖の関与も否定できず、『水で実験を行う事自体が間違えでないのか?』という考察も行える。
上記アイスクリームの製造過程で、ムペンバ効果が発見されている事から、『金属製の容器』で無いと効果が確認できない可能性も否定できない。
(ちなみに、アイスクリームは冷凍庫を使わない方が美味しくできるのですが、それはまた別の話でw)
○ムペンバ効果の実験をされているサイト
さつきのブログ「科学と認識」 「ムペンバ効果」について考える(その1)
さつきのブログ「科学と認識」 「ムペンバ効果」について考える(その2)
大槻義彦公式ブログ
○ムペンバ効果の紹介サイト
水のおもしろ実験 お湯が先に凍る?
wikipedia (ムペンバ効果の説明)
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コメント
承認待ちコメント
2011-02-24 23:11 編集
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2018-03-07 19:02 kjhmxllit URL 編集
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2018-03-07 19:50 whfjklqyty URL 編集
OBcovhTcyaoKEIyjW
2018-03-07 20:39 htrgqnmisf URL 編集